腸活を始めた方の中には「思ったような効果が得られない…」とがっかりしている方がいらっしゃるかと思います。実は腸活を成功させるには、「外から摂取した腸内細菌の定着率を上げる」ことが最も重要と言えます。
ただやみくもに腸活をしても意味がない場合があるのです。
目次
腸活の落とし穴!外から摂り入れた善玉菌は腸内での定着が難しい!
実は食べ物やサプリメントから摂取したビフィズス菌、乳酸菌などの外来性有益菌(プロバイオティクス)は腸内での定着が難しいと言われています。
私たちの腸内フローラは生後1年ほどで完成し、その後は基本的には大きく変わらないと言われています。つまり生後間もない赤ちゃん、あるいは妊娠中からの腸活が重要なのです。このことについての詳しい記事はコチラ⇒「赤ちゃんが生涯付き合う腸内フローラはママの腸内細菌によって決まる!」をご覧ください。
ビフィズス菌も乳酸菌も元々私たちの腸内に生息している菌ですが、食べ物等から摂取した外来性の有益菌は腸内での親和性が低かったり、元々生息している常在細菌(競合菌)に排除されたりして定着できません。実際に、東京大学の名誉教授である光岡 知足氏の実験によると、マウスの腸内ではサプリメント等の固形の乳酸菌は一時的に摂取しても体内に定着されないことが判明されているのです。
一定数の外から摂取した有益菌を保つためには、「継続的にプロバイオティクスを摂取」「腸内環境を大きく変えて競合菌を排除」「内因性有益菌を腸管外で培養・増殖して移植」などの策をとる必要があります。
継続的にプロバイオティクスを摂取する
これは皆さんが腸活で実施していることだと思います。ヨーグルトや納豆などの発酵食品から外来性有益菌を摂取し、腸内の善玉菌を増やすことが期待できます。しかし前述した通り、外から入った有益菌は定着が難しいため腸内で一定数保つには継続して摂取する必要があります。
そのため、「時々ヨーグルトを食べるようにしている」では一時的な効果は得られるかもしれませんが、「腸内環境を改善する」という目的は達成できません。
従って、プロバイオティクスを含む食品やサプリメントを毎日補充し続けることが必要です。
腸内環境を大きく変えて競合菌を排除
外来性有益菌は、腸内に生息する競合菌によって排除されてしまうことがあります。そこで、腸内環境を一度大きく変えることで定着率の向上が期待できます。
この腸内環境を大きく変える方法として「腸内クレンジング」という方法があります。腸内環境をリセットして腸内フローラを改善することが期待できます。
腸内クレンジングについては後に詳しく見ていきましょう。
腸内クレンジング以外にも抗生物質の服用によって腸内環境は大きく変わります。抗生物質は体内の病原菌を殺したり、増殖を抑えたりする作用を示します。一方で、体にとって有益な菌も同時に排除してしまいます。従って、腸内細菌も抗生物質の服用で死んでしまうため、悪玉菌や競合菌が排除され腸内環境が大きく変わります。
しかし、抗生物質の服用は腸内フローラ改善にはつながりません。多くの善玉菌も排除してしまうからです。また抗生物質にはさまざまな副作用もあります。
もしも何かの病気などで抗生物質を服用した場合は、多くの腸内細菌が失われるためいつも以上にプロバイオティクスを摂取して腸活に励みましょう。
内因性有益菌を腸管外で培養・増殖
腸内で有益菌に定着してもらうには、腸内での親和性が高いことが重要になります。親和性の高い有益菌は、ヨーグルトなどに含まれる善玉菌ではなく、やはり元々腸内に生息する内因性の有益菌です。
内因性の有益菌を増やすには、一度内因性有益菌を便から取り出し培養・増殖して再び取り込むという方法が最も確実です。実際に「特定の腸内細菌を増やすことで病気の治療につながる」ことを期待して、本人の有益菌を培養で増殖してカプセルに入れて薬やサプリメントとして服用する研究も進められています。
また既に実用化されている治療法として「豊富な腸内細菌の詰まったうんちそのものを移植する」という方法も存在します。
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腸活の効果を格段に上げる、「腸内クレンジング」とは?
「腸内クレンジング」とは、その名の通り腸内をクレンジングすることで「腸内デトックス効果」があります。
腸内には悪玉菌が産出した毒素や不要な物質、老廃物が蓄積しています。これらが悪臭となり口臭や体臭の原因にもつながっています。腸内クレンジングにより、これらの停滞した有害物質を排出することで腸内をきれいにして善玉菌が増殖しやすい環境に変えることができます。
また、腸内クレンジングには腸内環境を大きく変える効果だけでなく美容効果もあります。腸内に停滞した物質は血液にのって全身を巡り、肌荒れの原因にもつながっています。原因物質を取り除くことで美肌作用も期待できます。
さらに腸内クレンジングでは、悪玉菌やプロバイオティクスの定着を邪魔する競合菌も同時に排出されるので腸内フローラを大きく変えるチャンスでもあるのです。もちろん善玉菌も失ってしまうため、腸内クレンジング後はプロバイオティクスをいつも以上に積極的に摂るようにしましょう。同時に発酵食品や食物繊維を食べて善玉菌のエサを取り入れることも大切です。
腸内クレンジングをするには?
それでは腸内クレンジングはどのようにするのでしょうか。「ファスティング」や「腸内洗浄」が一般的な腸内クレンジングの方法です。
ファスティング
「ファスティング」とは「断食」という意味です。食事を摂らないことで体に溜まった不要な物質や悪玉菌、競合菌を排出することが期待できます。
また、私たちは多くの人が過食傾向にあるため腸を含めた消化器官を休めることが必要です。消化するためには多くの血液が必要です。つまり消化器官を休めることで十分な血液を全身の臓器に送ることができます。その結果、全身の老廃物や毒素を流して排出することができるのです。
腸はまた、消化機能以外にも重要な役割である免疫機能を担っています。つまり、ファスティングによって腸内クレンジング効果だけでなく、腸本来の機能を取り戻し消化機能と免疫力アップ効果も期待できるのです。
ファスティングの方法は「食事を摂らない期間をつくる」だけです。ファスティングでは固形物は摂りませんが、酵素ドリンクや野菜ジュースで最低限のカロリーやビタミンを補給します。
インターネットやドラッグストア、野菜ジュース専門店などではファスティング用のプログラムが用意されているのでそれを利用してみるのも良いでしょう。自分で行うこともできますが、過度な断食は危険です。また持病がある方、薬を服用中の方も医師と相談してからにしましょう。
働いている方にとって断食は厳しいかと思います。数日間のファスティングが難しい場合は、「1日のみのファスティング」や「夕食を1食抜く」だけでも構いません。無理のない範囲で行いましょう。
また定期的にファスティングを行うとより効果的です。「1ヶ月に1回」あるいは「2週間に1日」ファスティングを行うなどの習慣をつけると良いでしょう。ファスティングの後は、腸内環境が大きく変わるので、きちんと腸活を行うことで腸活の効果が格段に上がります。
腸内洗浄
ファスティングは自宅で簡単に行えると紹介しましたが「腸内洗浄」は主にクリニックで行われるものです。大腸に温水を注入してマッサージを行いゆっくりと水を流します。大腸の中を水でまるごと洗い流すイメージです。
腸内洗浄では悪玉菌を始め、宿便・不要な毛細血管・腸内ガスも排出することができます。
便秘の解消にもつながりダイエット効果も期待できます。
クレンズフード
最近、テレビやネット、雑誌などで「クレンズフード」がよく取り上げられているのを目にします。
「クレンズフード」とは、「体の不要な物質を派出し体の浄化を導く食品」のことです。ファスティングや腸内洗浄ほどの腸内クレンジング効果はありませんが、手軽に腸内クレンジングを行えるということで注目されています。
現在のところ、クレンズフードの明確な基準は設けられていません。クレンズフードとして販売されている食品としてグルテンフリーのパスタやヨーグルト、スムージー、ジュースなどがあります。
クレンズフードを一度食べただけで腸内クレンジング効果はありません。継続して食べる必要があります。
まとめ
これまで「外から摂取した腸内細菌の定着率」まで考えて腸活を進めていた方は少ないのではないでしょうか。もちろん毎日腸に良い食事、プロバイオティクスの摂取を心がけることで腸活の効果は得られます。しかし腸内フローラを大きく変えるには、腸内細菌の定着率まで考慮する必要があります。
腸内細菌の定着率を向上することが期待できる、腸内クレンジングを行ってみてはいかがでしょうか。
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