【腸活するなら必見】腸内フローラのタイプを知って効果的な腸活ライフを!

人の腸内細菌は個人情報の塊です。どんな日常生活・食生活を送っているのか、健康なのか病気のリスクを抱えているのか、どんな肌状態か、あるいは精神状態までも生息する腸内細菌のバランス(腸内フローラ)から予測することができます。

最近では、「人種による腸内環境の違い」についても世界中で研究が進んでいます。私たち日本人の腸内フローラの特徴が気になりますよね。日本人の腸内フローラの傾向を知ることで、より効率よく腸活を進めることができます。

日本人の腸内フローラの特徴は!?

2016年東京大学と早稲田大学の共同研究チームが発表した論文「The gut microbiome of healthy Japanese and its microbial and functional uniqueness」によると、日本人の腸内フローラは海外の人に比べて炭水化物の代謝と海藻の分解能力に長けた腸内細菌を持っていることがわかりました。また、他国と比較して補酵素やビタミン代謝・アミノ酸代謝などの働きにも優れていると報告されています。

さらに日本人の長寿や肥満率の低さは、このような日本人特有の腸内フローラが起因しているのではないかと考えられています。

日本人の腸内フローラをグループ分けしてみると・・・

日本人の腸内フローラを形成している主な4つのグループは以下の通りです。

・ファーミキューテス門

日本人の腸内フローラの形成で最も多いファーミキューテス門には、善玉菌である納豆菌や乳酸菌などが含まれます。

・アクチノバクテリア門

アクチノバクテリア門には善玉菌のビフィズス菌などが含まれます。日本人はこのビフィズス菌を多く持っているため、炭水化物の代謝能力が高いといわれています。

・バクテロイデーテス門

バクテロイデーテス門には日和見菌(腸内細菌の善玉菌・悪玉菌の優勢な方の味方をする菌)などが含まれます。

・プロテアバクテリア門

プロテアバクテリア門には悪玉菌である大腸菌などが含まれます。

*「門」について
腸内細菌は現在わかっているだけで1000種類以上存在するといわれています。この膨大な数の菌種を所属分けするために分類名が付けられています。住所でいう~県、~市、~町といったように菌種の場合は「門」→「科」→「属」→「種」→「株」で所属が分けられています。つまり「門」は一番大きなグループです。

日本人の腸内フローラのグループ形成は上記の通りですが、中国人やアメリカ人はアクチノバクテリア門のビフィズス菌が少なくバクテロイデーテス門の菌が多いそうです。このように、人種によって腸内フローラの菌種の形成には傾向があります。

日本人特有の腸内環境に合った食事とは?

前述した通り日本人の腸に住み着く腸内細菌は、炭水化物の代謝と海藻の分解能力が高いということがわかりました。つまり、海外の人に比べて炭水化物や海藻を摂取した場合の栄養分の吸収が優れているということになります。特に海藻は日本人の90%が分解できるのに対し他国の人で海藻を分解できるのは全体の15%にも満たないそうです。

優れた腸内細菌を持つ私たちは、炭水化物や海藻からどのような恩恵が受けられるのでしょうか。

炭水化物を上手く摂取しよう!

日本人が昔からずっと慣れ親しんできた炭水化物といえば「お米」ですよね。最近では「炭水化物ダイエット」のブームや食生活の欧米化によって日本人のお米を食べる量は減ってきています。

しかし腸内環境が良い状態であれば、日本人はお米を摂取しても腸内細菌がきちんと代謝してくれるため太らないはずです。ただし、同じ炭水化物の中でも精製された白いパンやうどん、パスタなどは昔から慣れ親しんできた炭水化物とは異なります。精製された炭水化物は急激に血糖値を上げ、腸にも負担をかけてしまいます。

そこでパスタやパンを摂取したいのであれば精製過程のより少ない全粒粉のパスタやパン、さらにはお米の中でも白米より玄米を摂取するようにしましょう。

お米には、豊富な食物繊維・ビタミン類・マグネシウム・亜鉛・鉄などの栄養素が詰まっています。特に、食物繊維は善玉菌の好物で、善玉菌の繁殖、便秘の改善にも働きます

日本人の体質に合っている上、腸内細菌がきちんと代謝して栄養素を吸収してくれるお米を、「太るから」「ご飯よりおかずを食べたい」と言って避けるのはもったいないと思いませんか。もちろんお米の食べ過ぎ、お寿司やチャーハンといった味が加えられたお米は糖分や油分が含まれておりカロリーが高くなることは確かです。

しかし、「お米を全く食べない」という食生活をおくっているのであれば、ぜひお米の恩恵を受けるためにもお米の摂取量を考え直してみてはいかがでしょうか。

海藻類から恩恵を受けよう!

外国人はのりを食べても、ほとんどの人が便にそのままでてくるということをご存知でしょうか。これは体内でのりを分解することができないからです。そのまま体外へ排出されてしまってはその栄養素を吸収することはできません。しかし日本人は9割の人が海藻を分解し、栄養素を吸収できる能力をもつ腸内細菌が存在します。せっかく海藻の恩恵を受けられるのであれば積極的に摂取したいものですよね。

それでは海藻類は、体にとってどのような恩恵があるのでしょうか。海藻類を分解できる腸内細菌は、腸内で海藻類のヌルヌルとした成分(ムコ多糖類という水溶性食物繊維の1種)を「短鎖脂肪酸」と「水素」に分解します。

・短鎖脂肪酸

短鎖脂肪酸とは脂肪酸の1種で炭素数が6個以下の比較的分子量の小さな脂肪酸を示します。酢酸・プロピオン酸・酪酸などが短鎖脂肪酸に含まれます。短鎖脂肪酸は、肥満や糖尿病の予防につながる他、悪玉菌の活性を抑えたり、腸のバリア機能を高めたり、炎症やアレルギーの抑制にも作用します。このように腸内細菌が生産する短鎖脂肪酸は体内で非常に有用な働きをします。

短鎖脂肪酸は、海藻類以外にも水に溶ける水溶性食物繊維を摂取することで腸内細菌が短鎖脂肪酸へと発酵してくれます。水溶性食物繊維は、海藻類を含め野菜・果物・豆類・こんにゃく・未精製の穀物などに多く含まれています。

・水素

水素は、体内の老化を進める活性酸素の除去に働きかける有用なアンチエイジング物質です。最近では美容や健康のために「水素水」を飲む人も増えてきています。しかし水素は非常に変化しやすい物質ですので、外から摂取しても水素のまま体内へ送り届けることは難しいとされています。

一方で、腸内で水素が発生すればその効果を直接得られます。高いお金を払って水素水を飲むよりも海藻類をしっかり摂取する方が効率的といえます。

まとめ

日本人の優れた腸内フローラに合った食事を摂取し、その恩恵を最大に受けることで効率的に栄養を取り込むことができます。腸内細菌からの恩恵を最大限に受けるには「腸内環境が整っていること」が大前提です。腸活を続けながら、私たちの腸内細菌が消化を得意とする食事を積極的に摂っていきましょう。

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